クエン酸はお酢やレモンなど酸味のある食品に含まれることが多い成分。
このクエン酸が疲労回復に効果的だと知られていますが、生はちみつなどの糖質と一緒に摂取することでより効果的だというのです。
どのような仕組みなのか見てみましょう!

クエン酸の役割

様々な効果・効能で知られているクエン酸ですが、具体的には以下のようなことが挙げられます。

食欲増進

食欲が出ない要因の一つに、胃腸の動きが鈍っていることが挙げられます。
体内にクエン酸を取り入れることで胃液の分泌・胃の活動が促進され食欲増進へと作用します。

疲労回復・軽減

クエン酸は「TCAサイクル(クエン酸回路)」という、体内に取り入れた栄養素からエネルギーを産生する過程で欠かせない成分です。
クエン酸をしっかりと取り入れることで、クエン酸回路がしっかりと機能し、体内でのエネルギー産生が活発になるために疲労の軽減や早期の疲労回復が望めます。

また、糖質・クエン酸を同時に摂取することで、体内のグリコーゲン補充速度がUPすることが分かっています。

ビタミンB群の吸収促進

クエン酸と一緒にビタミンB群を摂ることで、お互いが協力しながら、効率よくエネルギー産を生み出します。

ミネラルの吸収促進

クエン酸は金属イオンと結合する性質があり、これをキレート作用といいます。
この働きによって、カルシウムや鉄、亜鉛などのミネラルを包み込むため、酸化されにくくなると同時に吸収率もUPします。

尿酸値の減少

クエン酸には尿のpHを下げることでアルカリ化する働きがあります。
このことによって尿中に尿酸が多く溶けるようになります。

そして、尿酸がしっかりと体外に排泄されることで、血中の尿酸値低下へとつながります。
尿酸値が高くなる疾患、痛風の薬の一つとして、「クエン酸塩」を使用したものがあります。

尿路結石の予防

クエン酸によって尿がアルカリ化されるとともに、尿中のカルシウムと結合し、尿路結石の形成の予防に効果があるとされています。

ポイントはTCAサイクル

クエン酸といえば疲労回復、と言われるように、クエン酸の効果・効能の中でよく知られているのが疲労の軽減や早期回復です。
では、なぜ疲労回復に役立つのでしょうか。
その秘密は「TCAサイクル」にあります。

TCAサイクルとは、別名「クエン酸回路」とも言われており、体内でエネルギーを産生する際に必要で重要な回路となります。
体内に摂りいれられた栄養素(デンプン)は、ブドウ糖となり、その後酵素やビタミンなどの協力を得て、エネルギーを産生します。
その際にクエン酸をはじめとした数種類の酸に変化し、またクエン酸に戻るというサイクルを形成します。

これによってエネルギーが産生されるとともに、老廃物を体外に排泄させることが出来るのです。

ここでTCAサイクルの火付け役とも言われるのがクエン酸なのです。

運動を続けていると、TCAサイクルの働きが低下することによってエネルギー産生も低下しますが、この状態がいわゆる「疲労」です。
この状態を解決するためにクエン酸を十分に摂取することによってこのTCAサイクルがしっかりと活性化され、疲れにくい体作りや、疲労の早期回復へとつながるのです。

糖質をクエン酸と一緒に摂取することのメリット

数々の研究により、糖質のみ摂取した場合に比べて、クエン酸と一緒に摂取することでグリコーゲンの蓄積量が増加することが分かっています。
一緒に摂取することで、いざというときのエネルギー源を有効に蓄積しましょう。

注意点

クエン酸は十分な栄養を摂取できている場合、余剰分を脂肪に変換する性質があります。
そのため、運動時など疲労感の無い時に摂りすぎると脂肪過多になる可能性がありますのでご注意くださいね。

まとめ

スポーツ時の差し入れとしてすでに習慣となっている「レモンのはちみつ漬け」。
クエン酸と糖質を効率よく摂取するレシピとしてとても理にかなったものですね。

ただ、運動直前に固形物を胃に入れるとデメリットもありますので、液体部分を水で割るなど、うまく活用しましょう。