「はちみつは、花の蜜を集めて作られている」というのは常識でしょう。
しかし、常識では考えられない「はちみつの作り方」もあるんです。
今回は「砂糖水からはちみつを作ってしまう」というお話です。
通常のはちみつが作られる工程
外勤ミツバチは花の蜜をお腹に蓄え、また花粉を足に団子状にまとめて巣に持ち帰り、巣の中で待っている内勤ミツバチに口移しで花の蜜を渡します。
内勤ミツバチは、巣穴に花の蜜を広げながら羽で風を送り、水分を飛ばしていきます。
もともと花蜜の水分量は70%い~80%あり、この状態で巣に蓄えると発酵してしまうため、水分量をえ減らす必要があるのです。
水分量が20%程度になったところで、巣穴に蓋(蜜蓋)をします。
この段階でようやくはちみつの完成です。
アイネクシオのはちみつはこれです。
花が咲いていない時期の給餌
一年のうちで花が咲いていない時期があります。
こういった時期にはミツバチの食糧不足になってしまいます。
そうすると、群で生活することが難しくなるため、女王バチは産卵をやめてしまいます。
ミツバチの数が減ると同時に、今いるハチたちも食糧不足で弱ってしまいます。
これではせっかく花が咲く時期に、ミツバチが元気に花の蜜を集められない状態になってしまいます。
これを防ぐために、花が咲かない時期にはミツバチにエサを与えるのです。
特に冬場はミツバチは巣の中で団子状に固まって巣内の温度が下がらないよしています。
あまり外を飛び回ることはありませんから、越冬できるだけの食糧を蓄えておくために給餌は必須です。
与えられたエサからはちみつが作られる
エサの中身は、「白砂糖」「キビ砂糖や黒糖」「きな粉」と水です。
きな粉とは意外に思われるでしょうが、花粉の代わりになるのです。
エサを与えらミツバチたちは、このエサからはちみつを作りだし、巣に蓄えていきます。
花蜜の時と同様、巣にためた水っぽい砂糖水から水分を飛ばしていき、蜜蓋をして完成させます。
栄養価と風味
砂糖水から作られたはちみつと、花蜜由来のはちみつ。
栄養成分はどのような違いがあるのでしょうか。
砂糖水の栄養成分は「ショ糖」のみ。
そこから作られるはちみつは、酵素こそ含まれるものの、ビタミンやミネラルは花蜜由来のはちみつと比べると圧倒的に少なくなります。
また、当然酵素も期待できません。
花の違いによる風味の違いを楽しむこともできません。
ただの甘い液体となってしまうのです。
まとめ
今回は「花の咲いてない時期の給餌」ということを書きましたが、実は花が咲いていても給餌をする業者さんも多く存在します。
砂糖水由来のはちみつが平気で商品棚に並んでいる現実、あなたはどう思いますか?