はちみつのラベルには、「1歳未満のお子さまには与えないでください」といった注意書きが見られます。
お母さま方の間でも常識になりつつありますね。
そこで、なぜ1歳未満のお子さまに与えてはいけないのか、ご紹介します。
はちみつの中にボツリヌス菌がいる理由
1歳未満のお子さまに与えてはいけない理由は「ボツリヌス菌」がはちみつの中に潜んでいる可能性があるためです。
ボツリヌス菌は通常土の中など「芽胞」という休眠状態で存在しています。
土をいじった手にはボツリヌス菌が付着している可能性があるので、外から帰ったらしっかり手洗いする必要があります。
はちみつは自然に咲く花の蜜を集められたものですから、自然界に存在するボツリヌス菌がいてもおかしくありません。
ボツリヌス菌は空気を嫌う「嫌気性」の菌のため、粘度の高いはちみつは存在しやすい環境なのでしょう。
ボツリヌス症と乳児ボツリヌス症
はちみつは1歳以上になれば大丈夫。
「1歳以上はボツリヌス菌のリスクは心配ないのか?」、というとそうではなく、大人になってもボツリヌス菌のリスクは存在します。
ボツリヌス菌は前述した「芽胞」の状態と、菌が出す「毒素」を分けて考える必要があります。
菌が出す毒素は、細菌兵器に利用されるほどの猛毒として知られています。
この菌は肉類などを好み、ソーセージやハムなどの加工品に存在し、食中毒の原因となります。
致死率は30%ともいわれている、なかなか恐ろしい菌ですね。
一方、はちみつに存在している「芽胞」はその状態では毒素を出しません。
芽胞の状態で腸に達すると、大腸菌たちが退治してくれます。
ところが1歳未満のお子さまはこの対峙する機能が発達していないため、芽胞が腸内で発芽し、毒素を出し始めるのです。
これが1歳未満のお子さまに与えてはいけない理由です。
大人のボツリヌス症はいわゆる「食中毒」。
「乳児ボツリヌス症」は下記のような症状です。
- 脱力状態(筋力低下)
- 長期の便秘
- 泣き声が小さくなる
- 哺乳力の低下
加熱することで回避できるか
ところで、アイネクシオのはちみつは加熱していない「生はちみつ」という点が特長ですが、加熱されたはちみつはどうなのでしょうか。
ボツリヌス菌が出す毒素は、80℃で30分、100℃で10分間程度加熱すると破壊できることが知られています。
ところが、芽胞の状態は熱に強く、加熱により逆に活性化することもあるそうなので、加熱による殺菌という考え方は通用しないようです。
やはり1歳未満のお子さまには与えない、という考え方をした方が安全でしょう。
まとめ
最近のお母さま方は「1歳になるまではちみつはダメ」ということをご存知の方が多いです。
販売する側からすると安心できる傾向です。
しかし、「1歳未満だとアレルギーを起こす」という若干の勘違いがあるようです。
1歳になったら、お祝いにおいしい生はちみつを食べさせてあげてください。
栄養補給にも理想的な食品であることは間違いありません。