身体を動かすエネルギー源として知られているのは、「糖質」「脂質」「タンパク質」の3大栄養素です。
このうち、トレーニング時のエネルギー源は、かなり糖質に依存していると言って間違いありません。

栄養素が、トレーニング時に体内でどのようにエネルギーに変わるのかを知り、運動前に十分に蓄えておくことを心がけましょう。

どんな運動も、エネルギー源として糖質を必要とする

トレーニング時に必要なエネルギー源ですが、運動の強度によって必要とするエネルギー源に違いがあります。
ただし、どんな運動でもエネルギー源として糖質を必要としています。

例えば、体脂肪をエネルギー源とする運動として知られているのが「有酸素運動」。
ダイエットの時などは、強度の高い運動を短時間行うよりも、強度の低い運動を長時間行うことがよいとされています。
この時の「強度の低い運動」が有酸素運動です。
ある程度有酸素運動を続けることで、脂質がエネルギー源となるため、体脂肪の燃焼につながり、ダイエットに効果的というもの。

ただし、ここで誤解してはいけないのが、「有酸素運動で脂質だけがエネルギーになるわけではない」ということ。
どんな運動をしても、必ず糖質と脂質はセットで燃焼されます。
強度が高くなるほど糖質の割合が高くなるのですが、どんなに強度が低い運動を行なったとしても、糖質と脂質の燃焼の割合は「50:50」
そして体内の糖質が枯渇した場合、脂質の燃焼効率は著しく悪くなります。
糖質は、脂質を燃焼させる着火剤のような役割を果たしているため、運動中もこまめに糖質を補給し、脂質を燃焼させる必要があるのです。

そして、糖質が不足している時に起こるのが、「筋肉中のタンパク質を分解してエネルギー源とする」こと。
これはすなわち、体内の筋肉量の低下を意味します。
せっかく筋肉を強化するためのトレーニングを行なっているのに、逆に筋肉量を低下させるということが無いように、トレーニング前にしっかりと糖質を補給しておきましょう。

糖質の種類と吸収速度

糖質と言っても様々な種類があり、体内に吸収される速度にかなり差があります。
単糖類が2つ固まったものが二糖類、多くなるにつれて少糖類・多糖類と呼ばれるものになります。

単糖類は、これ以上分解できない状態の糖質のことを指し、ブドウ糖・果糖などが含まれます。
大きく分けると、下のような分類になります。

種類 吸収速度 食品
多糖類 2時間~3時間 おにぎり
二糖類・少糖類 30分 砂糖・オリゴ糖
単糖類 15分 ブドウ糖タブレット

つまり、トレーニング開始2時間~3時間前に食事を済ませ、トレーニング直前に単糖類を摂取することで、体内の糖質を最大限に補給することができます。
単糖類は、摂取してすぐにエネルギー源になるすぐれもの。

忘れてはいけないのは、いくら糖質でも、消化・吸収する際にもエネルギーを使うということ。
単糖類であれば、消化・吸収に余計なエネルギーを使うことなく、素早くエネルギー源となります。

素早いエネルギー補給にすぐれた生はちみつ

生はちみつの主成分はブドウ糖と果糖で、全体の約80%を占め、残り20%の主な成分は水分。
つまり、はちみつはほぼ単糖類でできていると言っても過言ではありません。
トレーニング前の糖質補給には最適な食品と言えます。

残りの成分は、ごく微量の酵素・ビタミン・ミネラル類となりますが、これらもトレーニング時に重要な役割を果たしてくれます。
エネルギー源を効率よく燃焼させる補酵素の役割や、殺菌・抗菌効果で外敵から守ってくれる効果など、運動時に必要な働きをしてくれます。

トレーニングや試合本番の開始時刻に合わせ、適正な糖質補給を行ない、体内に十分な糖質を蓄えた状態を作ることが、ベストパフォーマンスを引き出す秘訣なのです。

まとめ

糖質は体内に「グリコーゲン」という形で蓄えられます。
肝臓な血液、筋肉の中に蓄えられるのですが、その量には限界があります。
蓄えきれなかった糖質は、脂肪に代わり、体内に蓄えられることになります。
何ごとも摂りすぎは禁物。

そして、ケーキ等は甘いため糖質というイメージがありますが、製造過程でバターなどかなりの脂質も加わっているので、トレーニング前の糖質補給には不向きと言えるでしょう。