農林水産省のWebサイトに「養蜂をめぐる情勢」という資料が掲載されています。
2015年10月版に更新されていましたので、チェックしてみました。
毎回注目しているのは「国産・輸入の比率」と「各国産の価格」の2点です。

さて、今回はどのような結果が出たのでしょうか?

国産・輸入比率

大まかな概要は下記のとおり。

  • 蜂蜜の国内流通量は、約41,000t。うち国産が約2,800t、輸入が約38,000t。
  • 輸入はちみつの75%は中国産。
  • 国産蜂蜜のほぼ全てが家庭用。輸入蜂蜜は約55%が家庭用、約45%が業務・加工用(製菓・製パン、化粧品等)。

文章だとイメージしにくいので、図にしてみましょう。
国産・輸入比率と用途別内訳

家庭用はちみつの国産・輸入比率

上の図を見てみると、国内で流通しているはちみつのうち、国内産は微々たるものだということが分かります。
皆さんがご家庭で使っているはちみつのうち、国産の比率はたった11%なんです。
あなたが普段使っているはちみつ、産地をぜひ確認してみてください。

業務用はちみつの国産・輸入比率

業務用はちみつは、ほぼ100%輸入はちみつというのが現状です。

  • 飲料水
  • 菓子・パン類
  • 惣菜類
  • 化粧品類

さまざまなものにはちみつは使われていますが、100%輸入ものだという現実。
しかも業務用・加工用の場合、家庭用と違い産地の表示義務はありません。
どこでどんな環境で採れたはちみつか分からないものを、無意識に摂取しているのが現実です。

だからと言って「こういった商品を買わないようにしよう!」などというつもりはありません。
ただし、こういった商品に健康効果や美容効果を期待するのは難しいと考えてもいいのではないでしょうか。

各国産の価格

国産はちみつの卸売価格は1kgあたり1,000円~2,300円となっています。
それと比べて、各国産のはちみつはどのような価格になっているでしょうか?
グラフで見てみましょう。
生産国別卸売価格

このような価格差があっては、特に業務・加工用の原料に国産を使うのは難しいでしょう。
なんでこんなに価格差があるんでしょうか?
国内の養蜂家が暴利を得ているのか?

実際に携わってみると分かりますが、そんなことはありません。
外国産は25%の関税がかかっているにも関わらず、それでもこんなに価格差があるんです。

単純に「人件費の違い」で片づけていいのかな?と思ってしまうのが現実です。
しかもTPP交渉により、「段階的に8年目には関税撤廃」で合意していますので、さらに価格差は開くことになるでしょう。
その時、ぜひ皆さまには正しい知識とホンモノを見抜く目を持ち合わせていただきたいと考えます。

ちなみに、国内産でも1,000円~2,300円とかなりの価格差がありますね。
「国産だから安心」という思い込みは捨てた方がいいでしょう。

輸入段階・充填段階での加熱について

ドラム缶などで輸入される原料用はちみつは、船に積載する際に80℃以上に加熱しなければいけないというルールがあります。
また、赤道を通るルートでは、コンテナ内が60℃ほどの高温に達した状態で約2週間を過ごします。

このような経緯で加熱されたはちみつは、国内の工場に運ばれます。
ビン詰めされる際にはチューブを通しますが、硬い状態では通りにくいため、ここでも加熱されることがあります。

このように製品になるまでに加熱工程を経たはちみつは、本来持ち合わせているはずの酵素やビタミンが破壊され、健康効果・美容効果を期待できない状態の甘い液体になっている可能性が高いです。

はちみつ産地にまつわる噂話

最近は「中国産」というイメージを避ける消費者が増えているのが現状です。
製造業者としては中国産を使うことで高いリスクを負うことになります。

そのため、最近では中国から一旦第三国へ運び、そこから日本向けに輸出するという動きがあるようです。
この場合、産地表示は中国ではなく第三国になります。

簡単に信用することは危険なようですね。

また、中国には数年前から「国内生産量よりも輸出量が上回っている」という噂があります。わずかな誤差ではなく、生産量の数倍の輸出量だというのです。

これらはあくまで噂なので、裏付けはありません。
でも、流通しているはちみつはこのような状態のものである可能性は否定できないのです。

まとめ

どんな商材でも、産地や品質にこだわりすぎると何も買えなくなってしまいます。
ただ、正しい知識と情報を持ち合わせておくことは大切だと思います。
そのためにもアイネクシオでははちみつに関する情報を提供していきます。
そして、ホンモノのはちみつをこれからも皆さまにお届けすることをお約束します。