はちみつが容器の中で白く固まっている様子をご覧になったことがある方は多いことでしょう。
その見た目から「カビが生えたのでは?」と勘違いされる方も多いようですね。
これは「結晶化」と呼ばれるもので、成分が変わってしまうとか、腐ってしまったとか、そういうことではありません。
いろいろ誤解されている方もいらっしゃるので、結晶化の原因からご紹介しましょう。

結晶化の原因

糖類の割合

はちみつの成分は元となる花蜜の種類によって前後はありますが、95%以上がブドウ糖と果糖です。
このうち、ブドウ糖が多いはちみつほど結晶しやすいと言われています。

木に咲く花は果糖が多く、草に咲く花はブドウ糖が多い傾向にあります。
メジャーなはちみつで言うと、下記の通りです。

  • 結晶しやすい:レンゲ・クローバー・ひまわりなど
  • 結晶しにくい:アカシア

温度

はちみつの中に液状に溶けていられる糖分は、温度により変わってきます。
溶けていたはずのはちみつの固形分が、温度が下がることで溶けていられなくなるというイメージです。

ただし、結晶するためにはブドウ糖の分子が動きやすい状態である必要があるため、温度が下がりすぎると分子の動きが鈍くなり、逆に結晶しにくくなります。
最も結晶しやすい温度は14℃~15℃と言われています。

結晶の核

結晶する際には核となる存在があります。
例えばはちみ含まれる花粉や気泡といったものです。
この周りにブドウ糖の分子が固まって結晶となるのです。
そのため、花粉が多く含まれるはちみつも結晶しやすいと言えます。

振動

運搬中の振動も結晶化を促進する原因となります。
そのため、同じ場所で採れて同じ条件でビン詰めされたはちみつでも、結晶化の度合いが変わることがあります。

結晶化しないはちみニセモノ?

「結晶しないはちみつはニセモノでしょ?」と考える方が多くいらっしゃいます。
ですが、ここまでご紹介してきたとおり、糖類の割合や温度などの影響により結晶しやすい・しにくいという差が生じます。
一概に結晶しないからニセモノということではありません。

結晶してしまった場合の対処

結晶したはちみつ舌触りを好まれる方もいらっしゃいますが、多くの方は気になるようですね。
元の状態に戻したい場合にオススメなのは、ぬるま湯に湯煎をかけることです。
40℃程度のお湯にビンを付け、菜箸などでゆっくり混ぜていきます。
高温で急いで溶かそうとすると、はちみつに含まれる酵素やビタミンが壊れてしまうので避けましょう。
温度が低いため、大量のはちみ溶かす場合にはかなり時間がかか
必要な分に小分けし、湯煎されるのがいいでしょう。

まとめ

結晶したときの固形部分と液体部分では、液体部分の方がミネラル分が多いという論文があります。
結晶したものを好まれる方も、召し上がる際はよくかき混ぜておくとずっと同じ栄養成分を食べられるということになりますね。